はじめに

「じゃこ天道」に懸ける想い

「食」の分野にあって愛媛県にしかない特異性と郷土性、まさに魂の食物と呼ぶに相応しいじゃこ天を造れる喜びは私にとって何物にも変えがたいものでした。父の背中を見ながら追いつけ追い越せと二十年間。一心不乱に「じゃこ天道」を追求してきました。

「心」「技」「体」すべてを備えてはじめて一人前。

凛とした「心」
弛まぬ努力の「技」
漲るオーラを纏った「体」

どれ1つ欠けても美味しいもの造りはかなわないと信じています。

「心」は毎日同じ作業を積み重ねることの大切さ、同じ気持ちで作業に対峙することの大切さ、そしてその中から新しい気づきをえることの大切さ。「技」は人が呼吸するのと同じように自然と自分のものとなっていること、そして美しさを兼ね備えていること。「体」はほとばしる気合を感性という言葉にかえ全身全霊を込めて体全体で表現すること。そしてもうひとつ、健康であること。

父は私にこう言います。「ええか、魚を仕入れる時は目をつぶとってもええもんになる魚を仕入れよ。」「五感を研ぎ澄ましてものを造れ。自分の勘も大切にせないけん。暑い時には暑いなりの寒い時には寒いなりの造り方がある。」「職人は横道者でええ。(つまり変わりもん)」

やはり私は変わりもんかもしれません・・・。
しかし私は自分のビジョンと理念を父の教えとリンクさせ進化させてもの造りに邁進していきます。
皆さんから「これは鳥津さんが作ったものですか。では安心して頂けますね。」こんな言葉をかけていただけますように。